「製剤(Dosage Form)」とは、有効成分を体が吸収しやすいように、加工・成形したものの総称です。大きく分けて「原薬」と「製剤」の違い、そして「剤形」の種類を解説します。
1. 「原薬」と「製剤」の決定的な違い
- 原薬(API: Active Pharmaceutical Ingredient)
- 薬の効き目をもたらす「有効成分」そのもの。見た目はただの「粉末」であることが多いです。
- 例:痛み止めの成分である「ロキソプロフェンナトリウム」そのもの。
- 薬の効き目をもたらす「有効成分」そのもの。見た目はただの「粉末」であることが多いです。
- 製剤(Drug Product)
- 原薬に「添加剤(賦形剤、結合剤など)」を加え、飲みやすく、安定して体に届くように加工した最終製品。
- 例:ロキソニン「錠」。
- 原薬に「添加剤(賦形剤、結合剤など)」を加え、飲みやすく、安定して体に届くように加工した最終製品。
[Evidence] 日本薬局方(JP)において、製剤は「医薬品を投与目的に適するように調製したもの」と定義されており、原薬から製剤化する工程を「製剤化(Formulation)」と呼びます。
2. 主な「剤形」の分類
製剤は、投与経路や物理的な状態でいくつかに分類されます。
① 固形製剤(Solid Dosage Forms)
最も一般的で、流通や保管がしやすい形態です。
- 錠剤(Tablets): 粉末を圧縮して固めたもの。
- カプセル剤(Capsules): ゼラチンなどのカプセルに粉末や液状の薬を入れたもの。
- 散剤・顆粒剤(Powders / Granules): 粉末や粒状のもの。
② 注射剤(Injections)
消化管を通らず、直接血中や組織に届けるため、即効性や確実性が高いのが特徴です。
- 溶液性注射剤: すでに液体になっているもの。
- 凍結乾燥製剤: 使用直前に溶解液で溶かして使うもの(不安定な薬に多い)。
③ 半固形製剤・外用剤(Topical / Semi-solids)
皮膚や粘膜に塗布するタイプです。
- 軟膏・クリーム剤: 皮膚に塗るもの。
- 貼付剤(パッチ剤): シップや、皮膚から全身に薬を届けるテープ剤。
④ その他
- 液剤(Liquids): シロップ剤など。
- 吸入剤(Inhalations): 喘息治療薬など、肺に直接届けるもの。
3. なぜこんなに種類があるのか?(製剤工夫のポイント)
なぜその剤形なのか?下記のポイントがあります。
- DDS(Drug Delivery System): 「必要な量を、必要な場所に、必要な時間だけ」届ける技術です。例えば、胃で溶けずに腸で溶ける「腸溶錠」や、24時間かけてゆっくり溶け出す「徐放錠」などがあります。
- 安定性: 光や湿気に弱い原薬を、コーティングなどで守る必要があります。
- 患者さんの使いやすさ(Adherence): 「苦い薬を飲みやすくする」「嚥下困難な高齢者のために水なしで飲める『OD錠(口腔内崩壊錠)』にする」といった工夫も製剤の重要な役割です。
