“うしおととら” の作者が描く、ナイチンゲールのもうひとつの物語『ゴースト&レディ』

ミュージカル

大人気マンガを舞台化!

『ゴースト&レディ』は、『うしおととら』や『からくりサーカス』を描いた漫画家、藤田和日郎氏の作品です。

後に近代看護教育の母と呼ばれたナイチンゲールをモデルに、彼女とシアターゴースト “グレイ” の奇妙な絆を描きます。

2024年5月から劇団四季でミュージカル版『ゴースト&レディ』が上演されています。

『ゴースト&レディ』のあらすじ

イギリスのドルーリー・レーン劇場にいるグレイは演劇を愛するゴースト。

長い間その劇場でたくさんの劇を観てきましたが、ある日彼のもとに「自分を殺してほしい」という女性・フローが訪ねてきます。

自らの使命について、周囲から理解が得られないことに絶望し、生きる意味を見失っていた彼女に興味をもったグレイは「お前が絶望の底に落ちたその時に殺してやる」と約束し、彼女にとりつくようになります。

結果的に信念を貫くことを決心したフローは使命を果たすためクリミア戦争の野戦病院で働き始めます。

終わらない戦争、劣悪な環境、軍との軋轢…

様々な試練が彼女たちを襲います。

二人の運命とは…

史実をベースにした信念を貫く女性の物語

フローのモデルは歴史上の偉人、ナイチンゲールです。

この物語はフィクションですが、戦争下という過酷な状況で彼女がいかにして功績をあげたのか、

その並々ならぬ信念と行動力は史実と通じるものがあるのではと考えてしまいます。

実在する劇場と噂

ドルーリーレーン劇場は実在する劇場で、イギリス最古の伝統を誇っています。

また、グレイのような “シアターゴースト” の噂もあるとのこと。

なんでもそのドルーリー・レーン劇場には、18世紀風の灰色の乗馬用衣装を身にまとった紳士が、グランド・サークル(3階席)のD列の端から現れ、反対側の壁の中に歩いて消えていくのだそうです。

「灰色の服の男」が目撃されるのはほぼマチネの時に限られ、彼が現れると芝居が大盛況となる予兆だと考えられているのだとか。

まさに漫画やミュージカルでは、この噂を取り入れた内容になっています。

どうしてこの噂とナイチンゲールを結び付けたのか…

藤田氏の思いつきなのか、あるいは何かつながりを感じさせる噂が別にあるのか気になるところです。

ちなみに劇団四季舞台の床は彼女が実際に書いた円グラフをモチーフにしているんだとか。

こういった小話を聞いたうえで観てみるとまた違った楽しみ方ができるかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました